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「まち歩き」をしかける

まち歩きが盛んだ。まちのそのままをまちの人の案内でめぐるわけだから、着地型観光のプログラムとしてある意味一番取り組みやすいからかもしれない。だが、その数のわりに成功と呼ばれる事例は少ない。

まち歩きの作法と極意

その中で「長崎さるく」、「大阪あそ歩」はヒット商品だと言える。前者は2006年の1年間に全国から700万人以上を集客したまち歩きの先駆的な存在だし、後者は12年に観光庁長官表彰を受賞した。いずれもプロデュースしたのが茶谷幸治さんで、茶谷さんの経験やノウハウを「包み隠さず」書いたのが「『まち歩き』をしかける―コミュニティ・ツーリズムの手ほどき」。

茶谷さんは「そもそも『まち歩き』など、まちを歩いて楽しむだけのことで、小難しい話は必要ないかもしれません」と前置きしつつ「注意深く意図的にしかけたら、まちへの集客や市民意識の高揚など、期待以上の大きな効果がある」と書く。しかも「一定の作法通りにやれば、それなりの効果が必ず現れます」とし、その作法を1冊にまとめたのが本書。

まち歩きの効果や考え方などを示し、コースづくりやガイドの仕方から広報まで実際の運営などについて、茶谷さんがこれまでの経験で獲得した極意を伝えている。また、まち歩きの課題として質・量の維持と継続、仕組みの活力を保ち続けることを挙げ、それらへの対処も明かす。

まち歩きを実践、あるいは今後取り組もうとしている観光関係者、ガイドさんには一読を勧める。

学芸出版社、1836円。

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