１からの観光

観光に関する学部・学科を有する大学は２００９年４月現在、全国に40大学あり、学年定員も４２００人に達する。その一方で、卒業後に観光関係に就職をした学生は04―06年度平均で23％にしか過ぎない（国土交通省調べ）。

観光の全体像と価値創造を考察

観光学と観光関係産業に少なからずミスマッチが起きているのではないか―。本書「１からの観光」の企画趣旨は、そこにある。

旅行業や宿泊業をはじめ観光を支える産業の特性と事業の仕組みを紹介するほか、地域が地元資源を活用することによって観光まちづくりに取り組む都市や地方の事業例も取り上げる。

そして、観光に必要なマーケティング理論を解説し、価値創造や価値提供につながる、これからの観光のあり様を提示している。

大学の１、２回生向けに書かれたものだが、観光の全体像を知り、最近の観光トレンドを学びなおしたい人にも役立つ内容で、観光産業のビジネスモデルや地域の取り組みを１から知り、再確認してみるのにも格好の１冊だろう。