創造都市のための観光振興
10/08/10
著者の宗田好史さんの講演を聞いた後、お酒を飲みながらお話したことがある。本書にも詳しく書かれているが、京都観光がどんどん女性化してきたことをデータを示しながら熱く語り、都市観光の魅力として食の大切さを訴えておられた。 |
商業サービスを向上せよ
少し酔っていたので正確ではないかもしれないけれど、宗田さんが熱く説いていたのは「観光客と住民の"共食"の大切さ」だったように思う。そこから話は脱線し、イタリアでは異性と食事することがいかに重要なセレモニー的な意味を持つとか、イタリアのちょい悪オヤジの「ご一緒にお食事でも」の誘いにホイホイついていっては危ないだとか・・・。
それはさておき本書では、従来の観光が集客施設や観光関連産業によってのみ振興が図られるとしてきた考え方を改めようと説く。それは観光客の消費が土産物から飲食や買い物に転換してきたことからも明らかで、今の観光振興は町の商業サービス全体の向上をなくしてありえないと。
その端緒は、例えば京都の町家をレストランや物販店に改装し再生してきた若い経営者に見られるという。彼らはまちの美しさと環境を守り、観光客と市民の区別もなく商いをやっているのだ。