旅ごろ吟じごろ
10/08/31
歴史的な町並みや美しい自然風景を眺めると、その旅情感から、つい「一句」してしまう人も多いはず。同様に、古くから多くの文人たちも景勝地を訪れるたびに旅情を句や歌にしたためてきた。 |
古くて新しい吟行
「旅ごろ吟じごろ」は、松尾芭蕉や正岡子規など歌人たちが名所旧跡で詠んだ俳句・短歌とともに、全国各地から選んだ景勝地百選の魅力を伝える1冊。歌に込められた思いを通じて、日本が誇る景勝地の新たな楽しみを教えてくれる。
歌に加えて美しい写真で各地が持つ躍動感を表現。全編オールカラーでまとめられており、迫力も十分だ。各地の歴史や観光ガイドも付記しガイドブックとしての機能をもつほか、現代の歌人のインタビューも掲載することで、読者を吟行へと誘う。
「夏草や兵どもが夢の跡」。松尾芭蕉が岩手・平泉で詠んだ名歌は今も語り継がれている。旅がもたらす非日常の体験は、心に余裕と好奇心を与え、創作意欲もかきたてる。
本作を片手に、現地の風土を肌で感じて、自分なりのちょっとした一句を詠む旅も楽しいだろう。