観光ビジネスの新潮流
11/08/10
近年激変するライフスタイルや産業構造。そこから生まれてきたニューツーリズムは、日本が打ち出す観光立国としての発展と大きくオーバーラップする。しかし、その観光業界内での激変にどう対処すべきなのか、成功へのカギは何なのか。 |
観光業界での成功の鍵
観光の新しい価値の創造に向けて、ニューツーリズムや観光ビジネスのキーワードの現状と今後を解説しているのが、学芸出版社がこのほど発売した「観光ビジネスの新潮流―急成長する市場を狙え」だ。
観光ジャーナリストの千葉千枝子さんが、雨後のたけのこのように林立する"新潮流"を、自身の海外での取材経験を生かして世界的視野で分析。日本が進むべき観光立国への道筋は、外貨獲得を目的に発展する発展途上国の観光に学ぶべきことが多いとし、観光先進国である欧米の事例も交えながら、各分野をあらゆる角度で検証している。
本書で扱う分野は多岐にわたる。産業観光、文化観光、スクリーンツーリズム、スポーツツーリズム、メディカルツーリズムといったニューツーリズム。さらにMICEやロングステイ、タイムシェア・ビジネスからネットトラベル、旅育まであらゆる"新潮流"を網羅。なりたちから現状、課題を紹介し、海外の事例を踏まえて今後の展開に向けた提言を行う。
この一連の流れを分野ごとに読み進めれば、それぞれの分野への理解は当然深まる。全編読み通せば、今の日本、世界をも含めた観光の潮流が見えてくるだろう。観光ビジネスに関係する人なら一度は読んでおきたい、参考書的一冊だ。