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限界集落株式会社

この本、結構売れているらしい。タイトルは硬いが、表紙はイラストで明るい。その雰囲気で思わず手にとってしまいそうだ。ガイド本や学術書などなど、観光関連の本はどんどん出ているが文芸書にもその波は来たのだろう。有川浩さんの「県庁おもてなし課」もベストセラーだったし、小説の題材としても観光、まちづくりは好題材になったという証かな。

小説にも「地域活性」の波

お話は、銀行やIT企業を渡り歩いたエリートサラリーマンがBMW7シリーズで山奥の村を訪れるところからスタートする。父親の故郷で、子どものころ以来の再訪だ。

ほんの少し滞在し、あとは軽井沢で―なんて思っているのだが、年寄りばかりで数少ない村の子どもに、つい村の活性化を約束してしまう。それからは、体裁ばかりの役人と衝突し、農家の慣習、思いなどに悩みながらも企業経営のノウハウで村の改革に乗り出す。

過疎や休耕田の増加による集落の衰退、新規就農者の受け入れ、行政サービスの切り捨てなど、中山間地域が抱える現代的な問題も盛り込み、主人公と村の人たちの奮闘を描く。ラブストーリーなどもあったりして、帯に書いてある通り「地域活性エンタテインメント」なのだった。

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