地域プラットフォームによる観光まちづくり

観光による地域活性化が声高に叫ばれて久しいが、地域では試行錯誤が続く。地域を売る仕組みが不完全、人材不足―。そんな現状のなか、地域を成功に導く仕組みとして、地域と市場を結ぶ事業体「観光地域づくりプラットフォーム」にスポットが当たる。

壁破るカギは「顧客志向」

その実践の教科書といえるのが、学芸出版社からこの春刊行された「地域プラットフォームによる観光まちづくり」。プラットフォーム型まちづくり組織のあり方やマーケティング手法、推進体制のマネジメントをわかりやすく解説している。「顧客志向」こそが壁を打ち破るキーワードとして、その実践手法に迫る。

著者は大社充さん。ＮＰＯ法人グローバルキャンパス理事長、観光地域づくりプラットフォーム推進機構代表理事を務め、プラットフォームの実践法を伝授しようとセミナーで全国を飛び回っている。

地域へのマーケティングの導入からプラットフォーム型組織の事例、推進体制や観光振興行政のマネジメントまで実践にこだわった内容。観光の現状を考え、今後の展望も提示しながら、顧客志向の推進体制への転換の重要性を説く。

地域の観光事業者やＮＰＯ法人、観光協会、自治体観光担当者など地域観光に携わる人は必読の一冊といえるだろう。

定価は２６００円＋税。