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命をつなぐ「おもてなし」

東日本大震災から3年と少し。全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連、佐藤信幸会長)が「命をつなぐ『おもてなし』旅館・ホテルの役割と挑戦」を出版した。

3・11から3年間の記録

全旅連の加盟旅館ホテルは震災後、多くの被災者を受け入れた。その数は2011年4―8月の5カ月間で延べ525万人超に達した。被災地の旅館ホテルは被災者でもありながら、地域のランドマークとして住民の避難先でもあった。そして現在は工事関係者の宿泊先など、復興の最前線に立つ。

この間、被災地の旅館ホテルはどう動き、全旅連は国や関係先と折衝しながら旅館団体としてどんな役割を担ったのか。震災発生時に東京・上野駅にいた佐藤会長が1カ月あまりの動きを克明に綴った日誌から始まる本書は、旅館ホテルからみた3年間の記録であり、今後確実にくる震災に対するメッセージであるともいえる。

特に、被災地の避難所として住民を受け入れた旅館ホテルの社長、女将の証言で振り替えるドキュメントは、地域にとって旅館ホテルの役割の大きさを示す。水を確保する苦労、公的な避難所と差があった救援物資を獲得するための折衝、避難生活時の体制づくりの重要性など、実体験だからこその談話が並ぶ。

後半は、災害に備えた準備や公的支援、BCP作成の必要性、耐震改修促進法の解説など、東日本大震災から得た教訓や対策、平時に取り組むべき事柄について説く。

全旅連、1500円。

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