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スイス人が教えてくれた「がらくた」ではなく「ヴィンテージ」になれる生き方

DMOの設立が相次ぐ日本にあって、DMO先進地、観光大国として名を馳せるスイスは参考にしたい国だ。繁栄の秘けつはシステムにも当然あるが、人そのものにあるのかもしれない。そんなことを考えさせる一冊が「スイス人が教えてくれた『がらくた』ではなく『ヴィンテージ』になれる生き方」。

スイス人から学ぶ「豊かさ」

著者は眼鏡販売の三城ホールディングス副社長で、島根県奥出雲町の奥出雲多根自然博物館理事長の多根幹雄さん。スイス赴任時に感じた、スイス人の価値観に焦点を絞り、その生き方と「本当の豊かさ」を求めて一冊の本にまとめた。

冒頭「日本人より、ずっと豊かなスイス人」。それはお金の面でも時間の捉え方でも。労働時間は短く、休暇で楽しむだけ楽しむ。「必要なものにだけお金をかける暮らし方」は懐に心に周りの人に豊かな生き方。その背景にある時間が経つと価値が上がる「ヴィンテージ」な考え方、すなわち「時間の生かし方」が日本人とは違うのだという。

しかし、価値が上がるのはホンモノだけでニセモノは「がらくた」になる。そこを見極める目を養うのが「自立」。国の仕組みが人を自立させるシステムのため「ホンモノ=ヴィンテージ」な生き方ができると説く。

ただ、多根さんは日本を「スイスに負けないくらい魅力的」とも。それを生かし、日本が観光大国に進むためには、やっぱり国民が「ヴィンテージな生き方」をできるかどうか、なのだろう。

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