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阪神1000系で行く近鉄奈良線

来春3月20日、神戸・三宮から阪神電車が近鉄奈良線にやってきます。近鉄奈良線を走る電車も神戸・三宮へと相互乗り入れします。

近鉄走る阪神電車に興奮

近鉄奈良線

これは阪神尼崎駅―西九条駅間の阪神西大阪線が、阪神なんば線と名を変え、大阪難波駅(現・近鉄難波駅)まで延伸するからです。延伸計画は、なんと1940年代後半からあったので、実に60年越しの実現です。余談ですが、70年に近鉄難波駅が開業した時すでに、折り返しのための引き上げ線が「阪神西大阪線延伸のため」ということで作られていました。マニアの間ではとても有名な話で、神戸と奈良が直結されるのは本当にようやくという感です。

開通よりひと足早い8月23日、近鉄・大和西大寺駅に隣接する西大寺検車区で阪神なんば線を走る電車が公開されました。検車区では、開業をPRする特別ラッピングに飾られた阪神1000系と、同じくラッピングが施された近鉄9020系を並べ、阪神タイガースのマスコット「トラッキー」が六甲おろしのテーマソングとともに登場。

近鉄・阪神特別装飾車両

近鉄9020系(左)と阪神1000系の特別装飾車両。
イベント後、写真の近鉄車両は阪神線へ陸送された

まだ線路がつながっていないのにどうして阪神の電車が? それは乗務員の訓練や試運転、近鉄線対応保安装置の動作確認、阪神線にはない近鉄線の勾配走行の確認などのため、開業に先行して陸送で今春やってきたのでした。

その後、阪神1000系4両編成に乗車。車庫を出庫する電車に乗るなんてイベントでしか味わえない体験です。しかも、阪神電車で近鉄線の車庫からとなると、これはもうプレミアもの。先頭車の一番前に乗って運転台をかぶりついて見ている時は、ヨダレが出てきそうでした。検車区と東花園駅を往復した短い乗車区間の沿線には多数のファンがカメラを構えていて、思わず優越感・・・。

このイベント「阪神電車撮影・試乗会」には5400人もの応募があったそうです。その中から選ばれたのは、176人の3班で528人にしか過ぎません。東は関東、西は広島からと遠方から参加した人もいて関心の高さをうかがわせていました。

60年越しの大きな夢を乗せて、阪神三宮と近鉄奈良間を最速70分台で結ぶ開業まであと半年ほど。近鉄の発表では「188車両を阪神線対応に改良予定です。将来的には座席指定特急の乗り入れ、さらに伊勢志摩までの修学旅行列車も走らせたい」。楽しみですね。

旅は「鉄」道連れ イベントに参加したファンは

奈良県の村田恵さんは「奈良から神戸に行くのは電車だと何回も乗り換えなくてはならず不便でした。開通後はぜひ利用します」と話し、鉄道研究会の学生で滋賀県の佐和明裕さんは「"乗り鉄"をメーンに活動しています。参加の抽選に当たってとても嬉しいです。快適な車内に感激しています」と大満足の様子。奈良市の匿名希望さん親子は「奈良から甲子園まで近くなり、途中の京セラドームも沿線ですよね。阪神ファンのための開通ですね」と嬉しそうでした。

あらしん...鉄道をこよなく愛するヲタク。鉄ちゃん。一部私鉄を除き、全国の路線を乗車。鉄道好きが高じて車内販売員歴も。現在一人息子を立派にしよう?と鉄道のイベントに連れ出している。

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