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思い出のキハ58系 JR四国

1970年代前半、主に非電化区間用の急行列車として、クリーム色を基調に朱色のツートンカラーで日本各地を走り回っていたキハ58、キハ28、キハ65...。これらを総称するキハ58系が今、特急の増発や車両の老朽化などを理由に、年々数を減らしています。

リバイバル急行運転で別れ惜しむ

JR四国

JR四国でも10月15日にすべてのキハ58系が通常の営業運転を終えました。すでに急行列車としてではなく、普通列車や快速列車として運行していました。このキハ58系、特にキハ65形に会うため、今まで何度四国を訪れたことでしょう。特に土讃線の阿波池田から琴平へ抜ける猪鼻峠を力強く登る姿がとても印象的でした。やはり四国島内でキハ58系の引退はひとつの時代が終わったような気持ちです。

ところが、引退の3日後の10月18日から、JR四国がかつて活躍した愛称名で四国島内を巡礼するリバイバル急行列車の運転をはじめたのです。04年に旧国鉄カラーに塗装し直されたキハ58―293とキハ65―34の2両を使っての復活運転です。もう、いてもたってもいられなくなり、復活運転の佳境、11月1日の急行「うわじま」(宇和島発―松山行き)、翌2日の急行「いよ」(松山発―伊予西条行き)に乗車しました。

急行うわじま

今回で最後のリバイバル運転。
キハ58に「ヒゲ」が付いた!

往年の急行の長さには足りませんが、四国の急行に欠かせない愛称名の「丸い看板」が取り付けられ、キハ58―293には四国島内でしか見れなかった特急車両のような「ヒゲ」も追加されていました。

いよいよ最後の運転になった急行「いよ」の車内では、たくさんの乗客がキハ58系との別れを惜しんでいました。皆さん感慨深げな表情が印象的でした。

そんなたくさんの想いを予想していたのでしょうか。JR四国は、予讃線・伊予西条駅前にある四国鉄道文化館へキハ65―34を貸与しました(09年1月3日までの期間限定で特別展示)。

同館の尾崎館長は「キハ65は車内に入ることができます。旧国鉄色を懐かしむ方や子どもに教える方、今の列車と違って走りが豪快だったことを語る方、来場者の感想もたくさんいただいています。ミニSLを走らせたイベントと重なった1週間は入場者数が通常の倍になりました。本当に多くの方に愛された車両ですね」。

08年は、地道にがんばってきた、特に旧国鉄の名車・名列車の引退が目立つ1年でした。来年、昭和の花形列車の集大成、東京発唯一のブルートレイン「富士・はやぶさ」が消えようとしています。さらば、JNR。ひとつの時代が終止符を打ちます。

旅は「鉄」道連れ 「いよ」の最後に駆けつけたファン

「東京から『いよ』に乗るためだけにやって来ました。急行列車として乗るのは初めてです」と東京都の中村弦さん。「いつも家の近くを走っている姿を眺めたり写真に撮ったりしていました、大好きな車両です。走らなくなってさみしい。けれど最後の列車に乗れて嬉しい」とは、香川県内の小学6年生・羽野くん。「こいつで4回も貸切運転をしました。僕が若いころの思い出がいっぱい」と、松山市内で鉄道模型店を営む店主さんは、感慨深げに語っていました。

あらしん...鉄道をこよなく愛するヲタク。鉄ちゃん。一部私鉄を除き、全国の路線を乗車。鉄道好きが高じて車内販売員歴も。現在一人息子を立派にしよう?と鉄道のイベントに連れ出している。

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