北陸本線全通100周年(1) 国鉄急行色の記念号運行
北陸本線が今年全通100周年を迎え、日本旅行では往年の急行列車を彷彿させる「北陸本線全通100周年記念号」をツアー商品として運行しました。以前、北陸本線を走る特急「サンダーバード」や「雷鳥」号で車内販売の仕事をしていた僕は万感の思いで記念号に乗り込みました。
「くずりゅう」、「立山」が復活
JR西日本「北陸本線全通100周年記念号」
記念号は、10月13―14日にかけて敦賀駅―糸魚川駅を1往復。車両は、かつて北陸本線の急行列車として活躍した475・457系の6両編成で、クリーム色とあずき色のツートンカラーの国鉄急行色です。ヘッドマークや行先サボ(方向板)も装い、特にヘッドマークは当時の羽根型を2種類再現しています。米原駅―金沢駅を結んだ「くずりゅう」や大阪駅―富山駅を結んだ「立山」といった1980年代まで活躍した往年の列車のものが取り付けられていました。
ちなみに475系列の車両は現在、新北陸色と呼ばれるホワイトを基調にブルーのラインの入った塗装が施され、金沢駅―直江津駅間を走行する普通列車の主力です。今回は、この記念列車運行のために新北陸色の457系1編成3両を国鉄急行色へ特別に変更しました。関係者の力の入れ方が伝わってきます。
僕は13日のみ、敦賀駅から糸魚川駅まで乗車しました。特急列車を乗り継げば3時間ほどですが、記念号は普通列車よりもゆっくりと6時間かけて走りました。途中停車駅での歓迎イベントが盛大で、芦原温泉駅では芸妓さんや火の太鼓のお出迎えがあり、富山駅停車中には車内で伊藤敏博さんのミニライブが開かれました。伊藤さんは国鉄富山車掌区の車掌として活躍されたこともあるミュージシャンで、当時の車掌の制服で1981年のヒット曲「さよなら模様」ほか数曲を熱唱してくれました。
(トラベルニュースat 13年11月10日号)