ありがとう381系―日旅が惜別ツアー(1) 北近畿の"こだわり"
振り子式電車で知られる特急型車両「381系」が昨年10月末をもって、北近畿と和歌山地区から引退しました。1973年の登場以来、国鉄の営業列車で唯一振り子装置を搭載した電車です。そんな名車のお別れツアーを日本旅行が両地区でやってくれました。
振り子式電車のパイオニア 「もしも」を実現
JR西日本・特急型車両381系
北近畿のツアーは「ありがとう381系国鉄色の旅」として、11月6日と26日の2日間行われました。登場時と同じクリーム色とエンジ色のツートンカラーで、往路は新大阪から福知山線を通り城崎温泉へ。復路は城崎温泉から山陰本線を経由して京都まで、381系の思い出をたっぷりと味わえました。
381系は、カーブでも速度を落とさず走れるよう車体が軽量化され、低重心化のため他の特急車両に比べて車高が低くすっきりとしたフォルムが特徴です。国鉄からJR西日本には189両が移籍し約40年に渡って第一線で活躍。残すは、山陰地区の「やくも」号に使われている約60両のみとなってしまいました。
北近畿地区での381系はわずか3年のとても短い活躍でしたが、ツアーではヘッドマークにもちょっとしたお楽しみがありました。それは国鉄時代、86年の福知山・山陰本線電化開業時に新造して運行されていたはずだったことを再現したものでした。
わかりにくいかもしれませんが、こういうことです。もし電化開業時に新造381系が運行していたら、電化開業前のディーゼル特急「あさしお」(京都―城崎・倉吉間など。96年他列車統合により廃止)のヘッドマークをつけていたはず。そのためツアーでは「あさしお」のヘッドマークをつけて運転したのです。こういったこだわりが我々鉄道ファンの心を最高にくすぐるのです。
(トラベルニュースat 16年1月25日号)
→ありがとう381系―日旅が惜別ツアー(2) 和歌山でもラストランに続く