ありがとう交通科学博物館(1) 52年の歴史に終止符
関西の鉄道の殿堂「交通科学博物館」が4月6日で52年の歴史に終止符を打ちます。大阪環状線・弁天町駅(大阪市港区)に隣接し、僕にとっては物心がついた時から何度も訪れた思い出の場所でもあります。
0系とEF52を見る
大阪弁天町・交通科学博物館
再訪する機会をうかがっていたところ2月の日曜日限定で、なんと0系新幹線とEF52電気機関車の車内特別公開が実施されているではないですか! 最近は鉄道よりゲームに夢中の息子が久しぶりに同行するというので2人で行きました。
久しぶりに訪れた交通科学博物館は、思いのほか来場者が多い気がしました。昨年7月に閉館が発表されて以降、来場者数が増え、土曜休日にもなれば開門前から行列ができることもあるそうです。
館内に展示されている0系新幹線は東海道新幹線開業当時に活躍した車両でトップナンバー、鉄道記念物にも指定されています。通常は一部の車両のみが見学可能で、特徴のあるビュッフェ車両やグリーン車などは遠目にしか見ることができません。EF52にいたっては運転室を外からのぞく程度で、電気機関車特有の機械室など想像の世界です。EF52と聞いてピンと来ない方も多いかもしれませんが、昭和初期に登場した前後にデッキを持つ茶色のレトロな電気機関車です。東海道本線で活躍したのち、40年くらい前までは阪和線を中心に貨物列車などをけん引していました。
息子は「0系の車内を見ることができるのは貴重だよね。少し古さを感じたかな。テレビの取材もきていて、やっぱり交通科学博物館がなくなるんだなぁ」と、父の思いをくんでしみじみと話してくれました。
(トラベルニュースat 14年2月25日号)