新"聖地"を一足早く見学(2) 懐かしの列車ズラリ
テンションが上がりっぱなしの中、3階まで吹き抜け構造になっている本館に突入です。1階で1番に目に付いたのがサイズの異なる3つの先頭車のそろい踏み。正面左から時速300キロ運転のさきがけだった500系新幹線、昼は座席で夜は寝台に早替わりする581系寝台電車、おもに北陸地方発着の特急列車で活躍した489系ボンネット型電車。JR西日本を代表するお歴々です。500系の鋭く尖った先頭部は実際に手で触ることもできます。
名車を様々な角度から 巨大ジオラマも
さらに本館を進むと四国を除く全国で活躍した凸型のDD51形ディーゼル機関車、ブルートレインから貨物列車までけん引したEF66形電気機関車が地上から1.4メートルかさ上げされ展示されています。普段は絶対見ることのできない機関車の床下を見上げられるんです。これらはまさに、鉄道員さんでなければできない体験です。
2階の鉄道模型大ジオラマは、実物の80分の1スケールで鋭意製作中。残念ながら見ることはできませんでしたが、小中学校のプールほどの面積で線路の長さを合計すると約1キロメートルを超える巨大ジオラマになる予定だそうです。
興奮冷めやらぬ中、JR西日本京都鉄道博物館開業準備室の藤永晴俊企画課長にお話を聞きました。
「トワイライト色のEF81形機関車が当館に到着した際、運転台に大きな花が置かれていました。長年、北陸本線などで活躍し人気絶頂で引退した車両でしたので、所属区の敦賀から嫁入り支度がされていたのです」
そんな微笑ましいエピソードに触れながら、残り5カ月を切ったオープンに思いを馳せます。そこかしこから歓声が聞こえ、たくさんの人たちを虜にするんでしょうね。とても楽しみです!
(あらしん=鉄ちゃんジャーナリスト)
(トラベルニュースat 15年12月10日号)
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