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日本文化の底力こそ回復策 「インバウンド再生」

キャリーバッグのゴロゴロ音を聞かなくなって久しい。都心には雨後のタケノコのようにホテルが建ち、ドラッグストアには外国語のPOPが並んでいた。やれ4千万人だ、6千万人はいけるぞと意気込んでいた海外からの観光客はピタッと途絶えてしまった。

実際、都心のホテルは休業を余儀なくされ、インバウンドバブルに踊った民泊は激減。ドラッグストアも閑古鳥が鳴くなど、その経済的損失の大きさにたじろぎ、再生を待ち望む声も高まっている。

でも、その再生に向けては「拙速な回復策は禁物だ」と警鐘を鳴らすのが、京都府立大学教授の宗田好史さんがこのほど上梓した「インバウンド再生」(学芸出版社)。

著者は「同じ失敗は繰り返せない」とし、市民に嫌われたオーバーツーリズムを生じさせる安易なビジネスは駆逐し「日本文化の底力、全国それぞれに個性的な文化と文化財の奥深さを伝えよう」と説く。

専門のイタリアのまちづくりや京都市の取り組みを事例に挙げながら「リスペクトされるホストであろう。ルールをつくり、上手に受け入れられる観光まちづくりを進めよう」とし、宗田さんはウイズコロナ、アフターコロナ期の持続可能なインバウンド再生の道筋を照射する。

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